FX手法は無限にありますが、結局相場というものは多くのトレーダーの行動によって決まります。
買う人が多くなれば価格は上がり、売る人が多くなれば価格は下がるのが基本です。
価格が上がる前に買い、価格が下がる前に売れば利益になります。
結果が出る前に、
「これから買おうとする人」
「これから売ろうとする人」
がどれくらいいるのかを予想することが大切です。
今回は、そんなトレーダーの気持ちや行動から値動きを読む方法を勉強していきましょう。
「集団心理」とは?FXが読むべきは相場だけじゃない?
FXは、取引する2つの通貨の価格の差によって稼ぐものです。
通貨の価格はそれぞれの国の経済状況で決まり、通貨によって強弱があります。
価格が変動する時は、国の政治・経済の情勢が変わった時だと考えるのが基本です。
しかし、通貨の価格はそれだけでは決まりません。
実際は、FXをしているトレーダーの行動によっても相場が動かされています。
たった1人のトレーダーの行動で価格が変わることはほとんどありませんが、多くのトレーダーが同じ行動を取ることで、相場を動かすほどの力になることもあるでしょう。
例えば「今この通貨がすごいらしい!」という噂が立つと、多くのトレーダーが買いに走ることがあります。
するとその通貨の価格はどんどん高騰し、上昇トレンドが形成されるまでに・・・。
各国の情勢によってだけでなく、単なる噂やたまたま人気が出たというだけでも相場が動く可能性があります。
多くの人の考えを「集団心理」といいますが、これを理解することがFXトレードにも役立つでしょう。
チャートパターンから見てみよう!集団心理の影響
実際に集団心理を体感するには、チャートパターンから考えるのがベストです。
「トリプルトップ(三山)」という形があるので見てみましょう。
3つの高値、3つの安値をつけるチャートパターンをトリプルトップといいます。
例えば上昇トレンド中で、買いの傾向が強い時にトリプルトップが現れたら、どんなことが起こるでしょうか。
トリプルトップは、トレンドの反転を予兆するといわれているパターンです。
そのため、今買いポジションを持っている人がこの形に気付くと、「やばい!今のうちに売っておかないと下落するぞ!」と考えます。
すると売りで決済する人が増え始め、買い傾向から売り傾向に転じれば下落トレンドが発生します。
トリプルトップが出たからトレンドが反転したのか、それともトリプルトップを見た人の行動によってトレンドが反転したのかは分かりません。
しかし、多くのトレーダーはチャートパターンから取引をするため、特に典型的なパターンが現れるとその通りの値動きになることが多いでしょう。
「プロスペクト理論」とは?
集団心理を考えるうえで欠かせないのが、「プロスペクト理論」です。
人が何かを期待する時、単純な確率だけでなく状況から分かることや個人的な思い込みが期待値に影響を及ぼすと分かっているそうです。
例えばFXをする時に「初心者はドル円で始めよう」とテキストに書いてあったのに、友達から「今トルコリラがすごいらしいね!」と聞いたら、あなたならどうしますか?
正確な情報だけを参考にしようと考えれば、多くのテキストでも言われている通りドル円でトレードするべきと思うかもしれませんが・・・。
友達の情報を信じて、「トルコリラを買えば儲かるかも」と考える人もいますよね。
他人が言っていたことや根拠のない自信が、過剰な期待を引き起こしてしまうことがあります。
また、プロスペクト理論では損失を回避しようとする思考についても説明しています。
「トルコリラの上がり方は異常だから、きっとそのうち大暴落するよ」と聞けば、絶対手を出さないようにしようと思いますよね。
「そんな上手い話があるわけない」と、最初から信用しようとしない人もいるでしょう。
プロスペクト理論とは、多くの人が確実に利益を手に入れて、できるだけ損失を回避したいという考えのことです。
その通貨についての正確な情報の他に、自分の考えや他人の考えがトレードにも影響を及ぼしてしまうことはよくあります。
そしてこれはあなたに限ったことではなく、多くのトレーダーが同じであると意識すると集団心理を理解するヒントになるでしょう。
「バンドワゴン効果」とは?
「今流行ってる」と聞くと、自分も欲しくなることはありませんか?
私も初めは興味がなかったけれど、仲の良い友達が「最近人気のコレ、買っちゃった♪」と言っていたら急に欲しくなることがあります(笑)
多くの人が買い求めるということは、何か魅力があるのかも・・・。
そう考えるのは自然なことです。
多くの人が支持するものを、自分も支持したくなる心理現象を「バンドワゴン効果」といいます。
多くの流行はこの現象によって生まれ、マーケティングにも利用されているでしょう。
FXにおいても同じで、トレンドが発生する時バンドワゴン効果が起きていると考えられています。
例えばレンジ相場の時、レジスタンスラインを上抜くと上昇トレンドになると予想できますよね。
正確にはこれはただの予兆であり、必ずそうなるとは限りません。
しかし、このパターンを見た時に多くのトレーダーは買い注文を出します。
すると実際に価格が上昇していくため、上昇トレンドの形成が現実のものとなるでしょう。
ただし、「買ってる人が多いみたいだから買っておこうかな」という判断では負ける可能性が高くなります。
上昇トレンドが生まれたといっても、それが永遠に続くわけではありません。
また、上昇トレンドの中にも下落するタイミングがあります。
目の前のチャートパターンだけでは正確な判断はできないと肝に銘じておきましょう。
どうして反転するの?チャートパターンの根底を理解しよう
「この形になったらトレンド反転」というチャートパターンはたくさんありますよね。
初心者は深いところまで考えている余裕がないので、「こういうもんだ」と理解しているつもりになっている人が多いでしょう。
私もそれでOKだと思います。
しかし、より正確な情報として取り入れたいなら、チャートパターンの奥にある集団心理についても理解するべきです。
同じ位置で高値と安値を繰り返すレンジ相場になる時、何が起こっているのか分かりますか?
なぜ同じ価格で反転するのでしょうか。
レジスタンスラインとサポートラインを引いている人は、ラインにタッチした時にエントリーしていると思います。
高値にタッチしたら売り、安値にタッチしたら買うのが基本ですよね。
多くのトレーダーが同じ判断をしているので、高値と安値に到達すると反転するという結果になります。
しかし、ただラインにタッチしたタイミングでエントリーしているのは、集団心理に影響されているだけと言ってよいでしょう。
結局はみんなが買っているから買い、みんなが売っているから売っているだけに過ぎません。
ラインだけを見てエントリータイミングを決めていると、その先にあるレンジブレイクを予想することはできないでしょう。
目の前の値動きだけでなく、一歩先、さらにもっと先の未来まで予測する必要があります。
それには「集団心理として利用される」のではなく、「集団心理を利用する」こと。
一段高い所から見下ろして、その他大勢のトレーダーの心理を把握するのが上級者です。
集団心理を利用するのか、それとも一般ピーポーの思考として利用されるのか。
勝ち組になるためには心理学についても勉強しておくべきかも!?
興味がある人は、FXに利用できそうな集団心理についてもっと詳しく調べてみてくださいね。