FXの手法には色々ありますが、チャートの分析やインジケーターを使った売買タイミングの発見は結構難しい方法だと思います。
もっと、パッと見て分かるようなサインがあれば良いのに・・・。
そう思って調べていたら、誰でも一目でエントリーするタイミングが分かるものを見つけました。
実は週に1回しか使えない手法ですが、多くのトレーダーに信用されている手法だとか。
今回は、かなりの確率で利益につながるという「窓埋め手法」について解説しましょう。
「窓」って?価格が表示されないことがある?
FXのチャートにローソク足を表示させると、「窓」が出現することがあります。
この「窓」とは、ローソク足が連続している中に現れる空間のことです。
これが何を意味しているかと言うと、トレードが行われなかった時間帯、つまりFX会社の休業時間です。
チャート上では、休業時間中の値動きは表示されません。
ほとんどのFX会社は土日休みなので、金曜日の終値と月曜日の始値の間は「窓」=空間ができることになります。
チャート上に窓が開いていることを、「窓開け」という言葉で表現するので覚えておきましょう。
また、窓の開いている方向についても違いがあります。
金曜の終値より月曜の始値が高い場合は「上に開いている(上向きの)窓」であり、反対に金曜の終値より月曜の始値が低い場合は「下に開いている(下向きの)窓」となります。
窓開けするとどうなる?その後の値動きは・・・
窓が出現したあとのローソク足を見てみましょう。
月曜日の朝には、また新たな価格で取引が始まっています。
FX会社が休みでトレードできないはずなのに、なぜ価格が動いているのでしょうか。
海外取引所の場合、土日以外が定休日となっていることがあり、中東などの一部の地域で為替市場が稼働しているからです。
次にチャート全体を観察してみましょう。
窓開け後のチャートでは、ローソク足が窓のあった価格帯まで伸びる傾向にあります。
どういうことかと言うと、窓開けで表示されなかった値動きが後日表示されたかのような形になるということです。
例えば金曜日の終値で105円、月曜日の始値が100円だった場合、月曜の市場がスタートしてからしばらくすると相場が101円、102円、103円・・・と金曜日から月曜日までの間を反対向きに埋めるような価格帯で動いています。
金曜日の営業終了以降に発生していたであろう値動きが、反転してそのまま月曜日の営業開始以降に移動したような形になっていますね。
窓が開くと、月曜の営業開始以降に窓が開く前の相場に戻るような値動きをします。
この現象のことを「窓埋め」といい、これを使ったものが今回解説する手法です。
窓はどこにある?月曜の営業開始後の相場が分かる
それでは具体的に、窓開け・窓埋めをどうやって手法に活かしていくか見てみましょう。
窓になっている価格帯は、逆の動きをしつつ月曜の営業開始以降に移動すると考えることができます。
ということは「窓がチャートの上下どちらに開いているか」によって、月曜の営業開始後に価格がどちらに動くか予想することができるということです。
窓が上向きに開いていれば、月曜の営業開始後は窓の大きさの分だけ価格が下がっていく可能性があります。
反対に、窓が下向きに開いていればこれから価格が上がっていくと考えられるでしょう。
窓の開いている場所と、相場の方向が見えてきた時、「トレーダーたちがどういう行動を取るか」が窓埋め手法のカギになります。
「窓埋め手法」のポイントは?逆の方向にエントリーしよう
FXでは、価格が上がりそうだなという時は「買い」、価格が下がりそうだなという時は「売り」の注文が基本です。
しかし、「窓埋め手法」ではこの基本と反対の考え方をします。
具体的には、窓が上向きに開いていたら「売り」、下向きに開いていたら「買い」の注文を出しましょう。
なぜわざわざ逆の行動をするかについては、先ほども言った通り「他のトレーダーがどうするか」が関係しています。
翌日以降にポジションを持ち越すトレーダーは、窓が開くと一斉に利確や損切りを始めます。
例えば金曜日の時点で買い注文を出していた人は、窓が上向きに開いていれば月曜日の営業開始とともに売り決済をしようと考えるでしょう。
予想通り窓埋めが発生すれば、その人は大きな利益を手にできます。
反対に窓の位置によって「このままだと損失になるな・・・」と予想した人は損切りし、さらに逆のポジションでエントリーしようとするでしょう。
すでにポジションを持っている人の行動によっても相場が動くので、「この窓の位置ならどう決済するか」と想像すれば良いのです。
これからポジションを持とうとする人は、ポジションを持ち越しているトレーダーと逆の行動をしましょう。
窓が開いた!慌てて行動しちゃダメ
窓埋めは、必ず起きるわけではありません。
窓が開いたから、月曜の営業開始後は絶対にその価格帯になるとは限らないので注意しましょう。
窓埋めが起こるのは、金曜から月曜までポジションを持ち越すトレーダーが関係しています。
でも、全てのトレーダーがそういう手法を取り入れているのではありませんよね。
土日にポジションを持ち越すのは不安だから、金曜の営業終了前に決済してしまおうとする人がほとんどです。
窓開けがあっても窓埋めが発生しないとか、窓が開いている方向へひたすら進む…ということもよくあります。
より確実に窓埋めの可能性を判断するには、サポートラインやレジスタンスラインを活用しましょう。
いつエントリーすれば良いの?サポートラインに注目
チャートにサポートラインとレジスタンスラインを表示させると、窓埋め手法でのエントリータイミングが分かります。
サポートラインはチャートの最安値に引く線です。
この線は、窓が下向きで価格上昇が期待できる時、買い注文を出すために使います。
窓開け後、ローソク足がサポートラインに接したらエントリーしましょう。
窓を埋めるようにして相場が上がっていけば、ポジションの価値も上がっていきます。
反対に、窓が上向きで価格が下落すると予想される時、売り注文を出すためにはレジスタンスラインが有効です。
ローソク足がレジスタンスラインに接したら、エントリーしてください。
窓埋めが発生すれば、価格が下がるので安く買い戻すことができます。
週に1回のチャンスを見逃すな!他の手法とも併用するべき
窓埋め手法は、月曜日にしかできません。
窓が発生するのが金曜の営業終了日から月曜の営業開始までなので、当たり前ですが・・・この手法でトレードできるのは週に1回だけ。
ここに全てを懸けたとしても、確実に窓が埋まる保証はありません。
また、窓の開き具合はその時になってみないと分からないでしょう。
事前に窓埋め手法でトレードする計画を立てるのは、ほぼ不可能です。
この手法は、他の手法の補完的な役割として使うのが良いと思います。
基本的にはチャートの分析をして、トレンド転換のシグナルや売買タイミングのサインを見計いましょう。
また、窓埋め手法をするなら先ほど説明したサポートラインやレジスタンスラインの活用が必須です。
インジケーターを使用せず、窓が発生したと同時にエントリーするのはやめましょう。
窓が開いたと確認できても、ラインに接するまで何もできないのはもどかしいですね(^_^;)
しかし窓埋め手法は、ラインに接して初めて勝率が上がるものなので、早とちりは禁物です。