FXでは、「チャートがこの形になったら買う(売る)べし!」というタイミングがあります。
そのタイミングにあった行動を取ることが利益につながるため、「こういう時はこんなトレードをしよう」というセオリーは覚えておくべきです。
FXのこれまでの歴史で、多くのトレーダーにより培われた、「大体こういう流れになるよね」という教訓みたいなものですね。
しかし、時にはセオリー通りにやったのに逆効果になることも。
それはあなたがチャートに「騙されている」からです。
今回は、FXで度々起こる「ダマシ」について勉強していきましょう。
冷静に判断しよう!本当に買い(売り)のサインなの?
FX初心者はまず、よく出てくるチャートの形を覚えることが大切です。
「こういう形になったら買い(売り)だ」と判断できるようになると、偶然ではなく戦略により利益を取りに行けるようになります。
しかし、教科書やセミナーで教えてもらったチャートの定番とリアルな状況が同じであるとは必ずしも言えません。
「典型的なサインだと思ってすぐに行動したら、全く逆の値動きをした」ということもあります。
そのサインが本当なのか、それとも実は「ダマシ」なのか判断するにはどうしたら良いのでしょうか。
初心者はまず定番のチャートの形を覚え、ある程度セオリー通りに行動して練習してみましょう。
経験を積んでいるうちに「あれ?セオリー通りやったら負けたぞ・・・」ということが起こると思います。
少額で始めれば損失も抑えられるので、何度か「ダマシ」を体験してみましょう。
そうすれば正しいサインと「ダマシ」のサインの違いについて、なんとなく分かってくるかもしれません。
定番の「ダマシ」を覚えておこう
全く怪我をせずに、自転車に乗れるようになるのは難しいですよね。
FXでも一度も失敗しないままプロトレーダーにはなれないと思います。
しかし、何の知識も持たずに戦場に出ていくのは危険です(^_^;)
いくつかの「ダマシ」パターンを知っておけば、怪しいかどうかを判断することはできます。
FXの知識系サイトや教科書でも、有名な「ダマシ」サインが紹介されているので勉強しておきましょう。
初心者でも理解しやすい「ダマシ」は?
今回は出現頻度が高くて、初心者でも覚えやすい「ダマシ」についてまとめてみました。
①ラインブレイク
レンジ相場の時、価格がレンジ幅を抜けると「ブレイクアウト」と呼ばれる状態になります。
ブレイクアウトすると、抜けた方向に向かってさらに価格が伸びていくというのが基本的な考え方です。
例えば価格が上昇してレンジ幅を上抜ければ、価格はぐーんと上昇していきます。
セオリー通りに行動すれば、ブレイクアウトが確認された時点で買い注文を入れることになるでしょう。
反対に価格が下降している場合、レンジの最安値を抜けてブレイクアウトすれば、さらに価格がぐーんと下がります。
ブレイクアウトした時点で売り注文を入れるのがセオリーです。
しかし、これが「ダマシ」ブレイクアウトだった、ということもあります。
レンジ幅を突き抜けたのに、その後またレンジ幅に戻ってくると「ダマシ」です。
例えば価格上昇のサインだと思ってブレイクアウトを確認して買い注文を出しても、直後に価格がぐっと下がってしまう可能性があります。
実は「ダマシ」サインだったために、「今買わない方が良かったな・・・」ということもよく起こるでしょう。
②インジケーター
インジケーターを使ったチャート分析でも騙されることがあります。
移動平均線を見てみると、短期と長期のラインが交差するタイミングがあるでしょう。
短期移動平均線が中・長期移動平均線を超えて下から突き抜けるように上昇することを「ゴールデンクロス」といいます。
ゴールデンクロスが発生した時は、相場が上昇すると見込まれて買いのサインだと判断するのが定説です。
反対に、短期移動平均線が中・長期移動平均線を上から突き抜けて下降することを「デッドクロス」といいます。
これが見られると相場は下降するので、売りのサインになります。
しかしこのサインが「ダマシ」である可能性もあります。
「ゴールデンクロスが発生したのに価格下落する」
「デッドクロスが発生したのに価格上昇する」
ということも起こるので気をつけましょう。
どうして「ダマシ」が起こるの?
FXで度々起こる「ダマシ」サインは、何か原因があるのでしょうか。
通常であれば、レンジのブレイクアウトやインジケーターのゴールデンクロス・デッドクロスの後で動く方向は決まっています。
しかし「この時に買う(売る)べきだ」という判断を、全てのトレーダーが同じサインによって行っているのではありません。
レンジラインで決めている人、ローソク足で分析している人、インジケーターを使っている人など様々です。
また、同じ判断基準でもトレーダーによって違う行動をする可能性もあります。
例えば、レンジ相場でラインに接触した後、ブレイクアウトすると思う人もいれば、反転してレンジ幅に戻ってくると判断する人もいます。
「高値の山を2つつけるだろう」と予想する人もいれば、「いや、3つになるだろう」と予想する人もいるということですね。
どちらの数が多いかによって、その後実際に何が起こるかが決まります。
「普通はこうですよね」ということが、全てのトレーダーの考え方と一致しているとは限らないので注意が必要です。
特に、多くのトレーダーが注目するようなトレンドが発生している時は気をつけましょう。
大口投資家による戦略の可能性も・・・
「ダマシ」が起こるのは、上記のようなトレーダーの考え方の違いによる偶然の産物だけではありません。
機関投資家やファンドなど、大金を動かす大口トレーダーの行動によって市場がひっくり返されることもあります。
大口投資家は、一般のトレーダーが知る由もない情報を入手でき、さらに相場を動かせるほどの大金を持っているので、「ダマシ」を発生させることも可能です。
例えば、一度に大量の買い注文を出し、意図的にブレイクアウトさせて一般トレーダーに買い(売り)のサインであると思わせます。
「ダマシ」にまんまと引っ掛かったトレーダーの行動によって、大口投資家の思惑通り相場が動いてしまうのです。
どうやって「ダマシ」を回避したら良いの?
初心者が「ダマシ」かどうか判断するのは難しいでしょう。
大切なのは、「これはサインだ!」と気付いても大金をかけないことです。
常に疑い、初心者のうちは少額からコツコツトレードしましょう。
慣れてきたら、大口トレーダーが考えていることを分析する力も身に付けなくてはなりません。
しかし、十分に経験を積んだプロトレーダーでも騙されることはあるので、勉強すれば回避できるとは言えないでしょう。
一番有効なのは、1つの判断基準だけに頼らないことです。
私はトレードしている通貨ペアだけでなく、他の通貨ペアの動きがどうなっているかもチェックしています。
また、1つのテクニカル指標で決めるのではなく、いくつかのインジケーターを併用して判断するのもおすすめです。
その他にも、私が使っているAroonの自動売買も頼りになります。
24時間チャートを見張りながら、プロトレーダーによって「これなら勝てる」というロジックに基づいた売買が自動で行われるので、自分の判断よりも正確です。
人間の判断では「ダマシ」に対抗できなくても、自動売買なら見破れるかも!
もちろん絶対に勝てるわけではありませんが、初心者にはかなり強い味方になるでしょう。