「チャートを見ながら分析したり、予想を立てたりするのは大変・・・」
「株みたいに持っているだけで配当金のような利益がもらえたら良いのに・・・」
そんなことを思っている人におすすめなのが、「スワップポイント」による稼ぎ方です。
今回は売買による利益ではなく、ポジションを保有しているだけで稼げる利益「スワップポイント」についてお話ししましょう。
FXの稼ぎ方は2通りある！トレードだけが全てではない
私がこれまでご紹介してきたものは、主にトレードの手法です。
FXとは異なる通貨を売買することで、買った時の値段（買値）と売った時の値段（売値）の差が損益になります。
買値よりも売値が高くなれば利益が、反対なら損失が発生します。
この売買による差益を得る方法を、「キャピタルゲイン」ということもあるので覚えておきましょう。
FXには他にも、異なる通貨の金利差によって利息のようなものを受け取る方法があります。
この利息によって稼ぐ方法を「インカムゲイン」といいます。
インカムゲインで受け取れる利息はポジションを決済するまで積み立てられるので、長期投資のメリットとしても挙げられるでしょう。
「スワップポイント」って？FXでも配当金が狙える
ポジションを保有することにより受け取れる利息のことを、「スワップポイント」といいます。
通貨にはそれぞれ金利があり、国が違えば利率も違います。
国によって低金利の通貨もあれば、高金利の通貨もあり、その差を使って稼ぐのがインカムゲインです。
例えば低金利の日本円を売って、高金利のトルコリラを買うと金利の差額が利益となります。
この差額は「金利差調整分」とも呼ばれますが、FXでは一般的にスワップポイントといいます。
スワップポイントはポジションを決済するまで毎日計上されるため、銀行にお金を預けた時の利息と考えれば良いでしょう。
株をイメージすれば配当金のようにも思えるかもしれませんね。
スワップポイントはFX会社によって違う！？
通貨によって決まっている金利ですが、スワップポイントについては国が利率を決定しているわけではありません。
スワップポイントは、国が決定した通貨の金利と相場の状況を見比べながらFX会社が定めています。
つまり、実際にFXで稼ぐことができるのは、それぞれの通貨の金利差に為替レートの影響を加味して算出された金額なのです。
通貨ペアはもちろん、利用するFX会社によってスワップポイントの利率が異なるでしょう。
私たちトレーダーはどの通貨ペアのスワップポイントが高いかだけでなく、どのFX会社のスワップポイントが高いかということも見る必要があります。
キャピタルゲインは値段の差で、インカムゲインは利率の差で稼ぐ
通常の売買と、ポジション保有のみで受け取れる利益の仕組みについて整理してみましょう。
キャピタルゲインの場合
ドル/円ペアを選んだ時、ドルで稼ごうとするならドルが安い時に買い、ドルが高くなったら売ります。
例えば1ドル＝99円の時に買い、1ドル＝100円の時に売れば利益が発生するでしょう。
インカムゲインの場合
スワップポイントを受け取るには、まず新規ポジションを保有します。
新規で買いの注文を出すというのは、通貨ペアの片方を売って、もう片方を買うことですね。
インカムゲインでは、売った方の金利分を支払い、買った方の金利分を受け取れます。
円を売ってドルを買うイメージをしてみましょう。
もらった利息から支払った利息を引いたものが、実質の利益になりますよね。
例えば円の金利が-0.1%で、ドルの金利が0.25%だった場合は、
0.25-（-0.1）＝0.26%がスワップポイントとして受け取れます。
これで
「インカムゲインでは、売値と買値の差が損益に」
「キャピタルゲインでは、売った通貨と買った通貨の金利の差が損益に」
ということがイメージできたと思います。
初心者におすすめ！長期なら機関投資家にも勝てる
短期トレードの場合、金融機関や協同組合などの「機関投資家」によって、レートを動かされてしまうことがあります。
大金を使えば短時間に数十pipsを動かすことが可能で、個人トレーダーの資金力では太刀打ちできないでしょう。
しかし、長期に渡ってポジションを保有する場合は、機関投資家でもレートを動かすことが難しくなります。
初心者がトレードの手法によって勝とうとすると大変かもしれませんが、ポジションを保有してスワップポイントを得るだけなら簡単です。
また、短期トレードに比べて取引する回数が少なくなるため、スプレッドを気にする必要もありません。
ただし、初心者はトレードを重ねてこそ、FXの経験が身に付きます。
スワップポイントさえもらえれば良いと、初めから長期トレードしか眼中にないのは本物のトレーダーではありません。
短期トレードで練習しつつ、慣れてきたらスワップポイントについても勉強してみましょう。
スワップポイントで損することもある！？
低金利の通貨を売り、高金利の通貨を買えば、スワップポイントを利益として稼ぐことができます。
反対に言えば、高金利の通貨を売って、低金利の通貨を買うとスワップポイントは損失になりますよね。
スワップポイントについて初めて知ったFX初心者は、「そんなの当たり前じゃないか」と思うかもしれませんが・・・。
「スワップポイントで稼げる！」ということを意識しすぎてしまうと、そんな単純なことを忘れてしまう人がいます。
金利は変動するため、昨日まで高金利だった通貨がいきなり低金利水準にまで下がってしまうこともあるでしょう。
金利が変動したことに気が付かず、保有している通貨ペアの金利が逆転したために、利息を支払う羽目になってしまった人も・・・。
スワップポイントは長期保有のメリットですが、やはりFXにおいて放ったらかしは厳禁ですね！
デイトレードではもらえない！長期トレーダーだけの特典
スワップポイントは、ニューヨーク市場がクローズする時間に合わせて付与されます。
日本時間だと朝の6時50分（夏時間は5時50分）ですね。
つまり、この時間をまたがないとスワップポイントはもらえません。
その日のうちに決済するスキャルピングやデイトレードでは、インカムゲインによる利益は発生しないので注意しましょう。
ポジションが決済されるまでは、毎日スワップポイントが付与され続け、長ければ長いほどお得です。
ただし、金利がガラッと変わってしまうこともあるため、しっかり目を光らせておく必要があります。
高金利の通貨にはリスクがある
日本は低金利な国だと言われており、円を持っていても意味がないと感じる人も多いでしょう。
これから発展する可能性がある国は高金利になりやすく、今FXを始めるなら「新興国通貨」だ！という考え方もあります。
ただし、いきなり高金利に躍り出た通貨は危険性も・・・。
先進国のように政治・経済のシステムが成熟しきっていない国では、見切り発車で高金利を実現している可能性もあります。
日本やアメリカなどの先進国では、多少政策が変わっても法定通貨の価値がそれほど変わることはありません。
しかし、無理やり金利だけを上げているような国はインフレが起こりやすいため、大暴落のリスクもあります。
とにかくスワップポイントが高い通貨を選ぶのではなく、通貨にまつわる政治・経済の情勢にも注目しましょう。
通貨ペアを選ぶ際は、金利についても注目してみましょう。
売買による利益の他に、金利の差でも稼げるかもしれませんよ♪