「経済指標」って何者?初心者もスケジュールだけは押さえておこう

FX,投資,テクニカル分析

FXは、各国の政治・経済の状況が大きく関係します。
国が決めた経済対策や、別の国に対する経済制裁、紛争によって起こる流通の制限など、世界的なニュースとともにFXの相場も動くでしょう。
大きな出来事があれば相場が急変するというのは、誰でも予想できますよね。
しかし、テレビのニュースを見ているだけでは大暴落に備えることはできません。
今回は、FXをする人が注目すべき「経済指標」について勉強していきましょう。

相場はいきなり動く?予想できることもある

FXを始めたばかりの人は、「急に相場が動いちゃって負けてしまった~」なんて思うこともありますよね。
でも、それって本当に予想できなかったことなのでしょうか。
誰も回避できず、同じ方法で投資した人はみんな損失を抱えたのでしょうか。
いいえ、トレーダーのなかには事前に対策を取っていた人もいたはずです。
全く予想できない事態が起こる可能性もありますが、いつでも突然の嵐に見舞われるわけではありません。
何か兆候のようなものがあれば、初心者でも事前に相場の急変を察知することができます。
「初心者だから仕方がない」ではなく、初心者だからこそしっかり勉強して負けを回避する能力を身に付けましょう。

経済指標って?国は何を発表しているの?

FXに大きな影響を与える政治・経済の状況は、国が公式に発表する情報から知るのが一番です。
経済アナリストの予想、ニュース番組のコメンテーター、金融系Youtuberの意見も参考になりますが、全て正しいとは限りません。
まずは国が発表する「経済指標」をベースに判断しましょう。
「経済指標」とは、政府や国の中央銀行から発表されるデータのことです。
具体的には「GDP(国内総生産)」や「雇用統計」というデータが発表され、FXなどの投資業界ではそれらをまとめて経済指標と呼んでいます。
日本だけでなく世界各国で発表されるため、自分が投資している通貨に関係する国の経済指標をチェックする必要があります。

経済状況で何が予想できる?買われる通貨と売られる通貨

経済指標は、その国の経済状況を示すデータです。
つまり、国内の景気が良いかどうか、貿易でどれくらい儲かっているかなどが分かります。
景気が良く、他の国と比べて経済状況が安定している国の通貨は人気が高いため、買われやすくなるでしょう。
反対に、景気が低迷して失業率が上がったり、個人消費が減少していたりする国の通貨はどんどん売られてしまいます。
経済指標では、今投資している通貨の信用度が判断できるでしょう。

ニュース

経済指標だけじゃ物足りない?外交ニュースも見ておこう

投資しているのが円とドルだから日本とアメリカの経済指標だけを見れば良いのではなく、輸出入の関係がある中国や、政治的に関係が深い韓国との間に決められる条約などにも注目しなければなりません。
例えば日韓関係が悪化したら、韓国が日本に対して輸出入を制限するかもしれませんよね。
日本とアメリカの経済だけを調べていても、円の大暴落は予想できません。
関係のある国全ての経済指標をチェックするのは難しいですが、政治的なニュースについては常にアンテナを張っておきましょう。

経済指標はいつ発表される?国によって違う

経済指標が発表されるタイミングは、それぞれの国ごと、それぞれのデータごとに違います。
全てのデータを集めようとすると膨大な数になってしまうため、特に重要視するべき経済指標に絞りましょう。
例えばドルであれば、アメリカの雇用統計や景気判断などが重要です。
いつ発表されるのか決まっているので、自分が投資している通貨に関係する経済指標について、発表時間を調べておいてくださいね。

重要な指標ってどれ?ドルの場合

それぞれの通貨によって、参考にするべき指標が異なります。
全てをご紹介するのは大変なので、今回は世界で一番投資されているアメリカドルについて解説しましょう。

米国雇用統計

特に重要なのは、アメリカの雇用データです。
この指標はFXで最も注目されるもので、発表時はお祭りのように盛り上がるとか・・・。
日本時間の毎月第一金曜日に発表されます。
夏時間であれば21時半、冬時間であれば22時半です。

FOMC

金融政策を決める会議の名前ですが、現状の景気判断と政策金利について発表される指標の意味もあります。
会議は年に8回行われていますが、水曜日の会議終了後に指標が発表されます。
夏時間であれば3時15分、冬時間であれば4時15分です。

GDP

国内総生産のことで、一定期間内に国内で生まれた商品やサービスにつけられた付加価値を表します。
実際に発表されるのはこの付加価値から物価の影響を除いた「実質GDP」です。
ただし、自国の企業が海外で生産したものは含まれません。
この指標では国の経済力が分かり、同じ年の前期・後期、前の年の同じ時期と比べてどれくらい増減したかによって、景気や経済の成長度合いが判断できます。
発表されるのは四半期ごと、4月・7月・10月・1月です。
時間は夏時間だと21時半、冬時間だと22時半です。

経済指標を見れば相場が予想できる…というわけでもない!?

FXをする人が注意しなければならない経済指標。
しかし、経済指標から相場がどう動くかを予想することはかなり難しいでしょう。
プロトレーダーでも、経済指標のデータに合わせて手法を変える人はほとんどいません。
実際の指標を見てみれば分かると思いますが、データを見ても「で、これが何だって・・・?(@_@)?」と感じるでしょう(笑)
もちろんしっかり勉強して専門家レベルの知識を身に付ければ、初心者にだって対策できるかもしれませんが・・・。
経済指標に対して私たち初心者がやるべきことは、実はその内容についてじっくり検証することではないのです。

経済指標は結局何のためにあるの?発表時間が重要

FXについて解説しているサイトや、プロトレーダーのブログを見てみても、経済指標の概要を解説しているだけで、活用方法が載っているのはほとんどありません。
もちろん経済指標によって、その国の景気や金利について知ることはできます。
しかし
「この通貨は今買うべき!」
「これから下がるから売っといた方が良い」
ということを初心者が理解するまでには、かなりの年月がかかると思います。
初心者がまずやるべきなのは、「指標が発表されるタイミングに余計なことをしない」ということでしょう。
プロトレーダーも経済指標を見てどう動くかというより、発表時にエントリーや決済を行わないことが一番だと思っています。
経済指標発表時は為替相場の変動が起こりやすく、通常時では考えられないくらいの急上昇、大暴落になる可能性もあります。
そのため、このタイミングでエントリーや決済をしてしまうと、イメージしていた金額とかけ離れた金額になってしまうかもしれません。
予想外の大損失になれば、強制ロスカットもあり得るでしょう。

指標発表をスケジュールに入れよう!

経済指標の日付や時間は、忘れないようにメモしておきましょう。
カレンダーに記入したり、FXをするパソコンのアラーム機能を使ったりするのもおすすめです。
FX口座のアプリによってはお知らせ機能を設定できるみたいですよ。
経済指標が発表された後も相場が急変しやすいので、動きが落ち着いてからトレードを再開しましょう。

 

経済指標は、政府・日銀関係者以外にも国内の経済状況が分かる便利なものです。
しかし、その内容はやはり一般人にはかなり難しいかも・・・。
初心者はとにかく余計なことをしないように、スケジュールだけ頭に入れておきましょうね!

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