「pips(ピップス)」って何だ?損切りラインの設定にも必要な単位とは

  • 22/11/2022
  • FX
お金,出金

スキャルピングというトレード方法をご紹介する時に、FXで使う単位「pips(ピップス)」について少しだけお話ししたと思います。
スキャルピングで勝った場合、どのくらい利益が出るのかを表現するものとしてpipsが使われているよ・・・と解説したのですが、覚えていますか?
プロトレーダーのブログ、FX会社が運営する基礎知識系サイトなどでもpipsについて学ぶことができます。
しかし、これらの解説を読んでも「やっぱりよく分からない・・・」という人が多いのではないでしょうか。
今回は、しっかりpipsを理解するまで頑張ってみましょう!

どこで使うの?pipsが出てくる場面

「pipsなんて聞いたことも見たこともない」という人がいるかもしれませんね。
私がこの言葉を目にするのは、プロトレーダーのブログやSNSです。
「今日はスキャルピングで80pipsも稼いだ」
「狙いが外れましたね~40pipsマイナス・・・」
という投稿を見ることがあり、プロトレーダーの人にはお馴染みの表現なのかな?と思っていました。
その人がいくら賭けたかによっても違いますが、1日10~20pips稼げていれば順調だといわれています。

「pips」って何なの!?通貨が違っても変動幅が分かる

それでは、pipsについて徹底的に調べていきましょう。
プロトレーダーは「pips(ピップス)」と簡単に言っていますが、そもそもこれは「pip」の複数形です。
つまり「pip」を使う時は「1pip」だけであり、2以上の数に使う時は「pips」となります。
これは通貨がいくら変動したかを表す、各種通貨共通の単位です。
同じ単位を使って計算できるので、ペアになった通貨が1=1の関係でなくても利益額・損失額がイメージしやすいでしょう。

通貨

通貨ペアによって変わるpipsを覚えておこう

1pipあたりの変動幅は通貨のペアによって定められています。
例えば、ドルと円のペアは、1pip=0.01円です。
1ドル=100円だったのが105円になった時はどのように表現するでしょうか。
レートが5円上がったので、「ドルが500pips上昇した」と言います。
ユーロ/円、ポンド/円などのクロス円ペアも1pip=0.01円です。
ユーロ/ドル、ポンド/ドルなどのドルストレートペアでは、1pip=0.0001ドルになります。
よく使われるペアや、自分が取引したいと思っている通貨に関連するペアはあらかじめpipsの単位を調べておくと良いでしょう。

「○pips稼いだ!」それって結局いくらになったの?

1pipが何円なのか分かれば、すぐに利益額・損失額が計算できるというわけではありません。
pipsは値動きの「幅」が分かっただけであり、実際にいくら稼いだかは取引した額によって変わります。
つまり、利益額や損失額を調べるには「○pips動いた時に、どのくらいの数量を取引していたのか?」ということが必要です。
次の計算式で求めることができるので、実際にやってみましょう。

【クロス円の計算式】
pips×0.01×取引数量=損益

【ドルストレートの計算式】
pips×0.0001×取引数量
→円に換算する場合はさらに現時点のドル/円のレートを掛ける

クロス円の場合は、算出された額の単位がそのまま円になります。
出てきた数字で「○円稼いだ」と知ることができますね。
ドルストレートの計算式では、答えがドルで表されています。
円でいくら稼いだか知りたい場合は、ドル/円のレートを掛けて換算しましょう。

私はいくら稼いだの?計算してみた

実際にこの計算式を使って、私が獲得した利益額を求めてみました。
今までのトレードの中から、ユーロ/ドルの売買を例に挙げて計算してみましょう。
私は、ユーロ/ドル=1.55700ドルの時に10,000通貨を買いました。
数分後、このレートは1.55760ドルに上昇します。
そのタイミングで、私は10,000通貨全てを売却しました。
まずは何pips動いたのか整理してみましょう。
買いから売りのタイミングまでに、0.0006ドル動いていますね。
ドルストレートの通貨ペアなので、1pip=0.0001ドルです。
つまり、この売買では6pipsの損益が発生しています。
価格は上昇しているので、6pipsの「利益」です。

次に、この時私が手にする利益額を計算してみましょう。
ここで必要になる数字は、

・ゲットした「6pips」
・1pipあたりの単位「0.0001ドル」
・売った数量「10,000通貨」
・売った時点のドル/円のレート「1ドル=105円」

です。
それぞれを掛けると・・・

6×0.0001×10,000×105=630

つまり、私はこの取引で630円の利益を手に入れたことになります。
やってみると意外と簡単ですね。
クロス円であれば、その時のレートを計算しなくても良いので、トレードで発生したpipsをメモしておいて、あとでまとめて損益計算するのもおすすめです。

計算が面倒だからって、ドル/円を選んでない?

pipsが分かれば損益額がすぐに分かるクロス円、特にメジャーなドル/円の取引は初心者にも人気です。
ドルストレートの場合は、外国の通貨同士をトレードするなんてハードルが高い・・・と手を出さないようにしている人もいます。
しかし世界的に見れば、最も取引量が多いのはユーロ/ドルです。
ボラティリティの高さから考えても、大きな利益を期待するならドルストレートが狙い目でしょう。
クロス円と違うのは、ドル/円のレートを計算に入れることだけなので、積極的にチャレンジしていきたいですね。

損切り・利確ラインにもpipsを使う

損益額を計算するだけでなく、損切りや利確のルールを決める時にもpipsが必要です。
「○円になったら売る」というのが、損切りラインでしたね。
ポジションを決済してしまい、損失額を確定させてそれ以上の損をしないようにする方法です。
例えば、「1ドル100円だったのが99円まで下がってしまったら売ってしまおう」というルールを定めます。
この場合の変動幅は100pipsとなり、10,000通貨売ると10,000円の損失となります。
「1ドル99円まで下がっちゃったらマズイ気がするから」という感覚的な理由ではなく、実際の損失額から損切りを想定することが大切です。
色々な方法があると思いますが、私ならまず「容認できる損失額はいくらか」から逆算していきます。
「損失額は10,000円までに抑えたい」→「10,000通貨で取引したい」→「100pipsまでならOK」→「1ドル100円の時に買ったから、99円になったら売らないと」ということがイメージできますね。
あとは逆指値注文やOCO注文などで損切り設定すればOKです。
お使いのシステムによっては、損切りラインを決めるのにpipsを指定しなけらばらないこともあるので、計算方法を覚えておきましょう。

本当に優秀なトレーダーが見抜けるかも!

「FXで10万円稼げました!」というSNS宣伝をしている人もいますが・・・。
4000円から始めて10万円ものお金を手にしたのか、7万円投資してようやく10万円まで増やすことができたのかは分かりません。
しかし、「今日は10pips勝てた」というのはある程度の指標になります。
もし「優秀なトレーダー」を自称し、セミナーに勧誘して来る人がいたら「ちなみに今日は何pips勝ったんですか」と聞いてみてください。
「pipsで言われても分からないけど・・・初心者でも10万円稼げる方法を教えるよ♪」と言われたら詐欺かもしれません。
プロトレーダーにとっては損切りラインを決める際にもpipsを使うのが常識ですし、そんなに稼いでいる人が「pipsなんて知らない」ということはあり得ないと思います。

 

pipsについて、単位としての意味や計算方法を理解できましたか?
「初心者には難しいから、pipsなんて考えなくても良いよ」と解説しているブログもありますが、そんなことはありません。
初心者こそ、頭の柔らかいうちに大切なpipsについて勉強しておきましょう!

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