FXの利益を申告しよう!課税のルールと税金対策

  • 24/11/2022
  • FX
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給料などの収入には、所得税や住民税が課税されますよね。
FXの場合も同じように、得た利益に対して税金がかかります。
今回は、初心者の人もFXにかかる税金について知っておくべきことをまとめてみました。
利益が出ている、出ていないに関わらず、税法やルールについて覚えておきましょう。

FXで得られる利益は?

FXによって得られる利益には2つの種類があります。
税金は、この2つの利益を合算した金額に対してかかります。

為替損益

異なる通貨を売買したことで得た利益のことです。
例えば、「1ドル=100円」の時に買い、「1ドル=101円」になった時に売った場合に得た利益になります。

スワップポイント

異なる通貨の金利差から得た利益のことです。
例えば、低金利の日本の「円」を売って、高金利のトルコの「トルコリラ」を買うとその金利の差が利益となります。
これはポジションを決済するまで、毎日利益として加算されることに注意が必要です。
この仕組みを忘れていると、いつの間にか大きな利益になっていることがあります。
大きな利益はうれしいですが、利益が大きくなればその分税金も多く支払うことも理解しておきましょう。

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いつ税金がかかるの?

実際にいつ税金が発生するのか、それぞれの利益について見てみましょう。

為替損益

ポジションが決済されると課税対象となります。
長期的なポジション保有では、決済されるまで期間がありますね。
決済されるまでの間は課税されず、確定申告の必要もありません。

スワップポイント

先ほども説明した通り、スワップポイントはポジションを保有している限り、毎日利益が計上されます。
しかし、全ての人が毎日口座に入金されるわけではなく、使っているFX会社によって異なる取り扱い方をされるので注意が必要です。
あるFX会社では利益が計上されるごとに口座入金となり、別のFX会社ではポジションを決済した時にそれまでの期間で計上されていた利益をまとめて口座入金することがあります。
あなたがどのFX会社を使っているかによって、利益が課税対象となる時期が違うのです。
そこで「スワップポイントは口座入金されると課税対象となる」と覚えておくことをおすすめします。
FXに使用している口座はこまめにチェックして、税金の計算に役立てましょう。

税金はいくらになる?計算してみよう!

それでは、実際にいくらの税金がかかるのか計算してみましょう。
FX会社が国内の業者か、海外の業者かによって計算方法が違うので注意してくださいね。

国内のFX業者

20.315%の一定税率がかかります。
この税率は所得税15%、住民税5%、復興特別所得税0.315%の合算です。
税金は以下の計算式で求めます。

「利益×一定税率20.315%」

例えば、FXで50万円の利益が出た場合はどうなるでしょうか。
「500,000×20.315%=101,575」となり、101,575円の税金がかかるということが分かりますね。

海外のFX業者

「累進課税制」といって、利益の額によって税率も変わる方法を取っています。
195万円以下なら税率は15%、1800万円を超えた場合の税率は50%となり、稼げば稼ぐほど税金の割合が高くなる仕組みです。
いくら稼いでも一定の税率がかかる国内のFX業者と全く違うので注意が必要ですね。
この場合でもFXでの利益が50万円だった時の税金を見てみましょう。
利益が50万円であれば税率は15%です。
「500,000×15%=75,000」となり、税金は75,000円がかかると分かりました。

海外のFX業者を使って取引したことで得た利益は「雑所得」扱いになります。
この雑所得には、商品やサービスの紹介記事・宣伝記事を書き、クリックされることで報酬を得る「アフィリエイト」の収入なども加算されます。
税金を計算する際には、FXでの利益とアフィリエイト収入、その他雑所得に計上されるものの合計額に対して課税されるので忘れないようにしましょう。

税金はどうやって払うの?

FXの利益は確定申告が必要です。
ただし、利益の額が年間で38万円以下の場合は申告が不要となります。
確定申告は毎年時期が変わることもありますが、基本的に1月初めから12月末までの利益を、翌年2月中旬から3月中旬に支払うこととされています。
毎年12月頃に確定申告の日程が発表されるので税務署や商工会議所のサイトを確認しましょう。

申請方法

確定申告には、申告書が必要となります。
手書きで確定申告書を記入、または申告書にデータ入力して税務署に持参します。
記入や計算に自信のない人は税務署や商工会議所で説明を受けながら確定申告書を作成することもできます。
また、WEBで確定申告するネット申請も便利です。
国税庁のホームページでは手書き・ワープロ入力用の確定申告書がダウンロードできます。
ネット申請でも国税庁のホームページに「e-Tax」という申請用システムが用意されているのでチェックしてみてくださいね。

必要書類

確定申告には次の書類が必要です。
確定申告の時期が来る前に準備しておくものもあるのでよく確認しましょう。

①確定申告書B
②所得税申告書第三表
③先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書
④年間損益報告書
⑤源泉徴収票

税金を安くしたい!節税方法は?

FXの利益は、必要経費の額を差し引いて計上することができます。
利益額を少なく申告できるので、税金も安くできるかもしれません。
それでは、FXをする上での必要経費とはどんなものがあるのでしょうか。
FXトレードをする時にかかった費用は必要経費と認められ、例えば自宅のパソコンにインターネットをつないだ時にかかった費用(通信費)、FXに関するセミナーに通った時の交通費、FXの勉強のために買った本や新聞の代金、FX口座への入金に掛かる振込手数料も必要経費であると考えられています。
他にも有料の自動売買ツールなど、申告すれば認められる可能性のものもあるので、「これは必要経費になるかな?」と迷ったら税務署に確認してみましょう。
また、他にも夫婦で口座を分けたり、法人化したりすることでも税金対策になる可能性があります。
そのお話はまた後日どこかでいたしましょう♪

学生の場合は?副業の場合は?

利益の額が年間で38万円を超えれば、どんな人でも確定申告が必要となります。
例えば主婦や学生でも税金を納める必要があるのです。
また、FXを副業としている場合も確定申告が必要ですが、勤めている会社が副業禁止だという人はどうしたら良いのでしょうか。
会社に勤めている人は所得税・住民税が源泉徴収されるので確定申告の必要がありません。
しかし、FXの利益に関しては自分で申請しなくてはいけないのです。
会社に副業をバレないようにするには、確定申告書「住民税納付方法」の「自分で納付する」という欄に〇を記入しましょう。
こうすれば、FXの利益を会社に知られることはありません。
ただし、この方法を選んだということは、住民税を銀行やコンビニで支払うということなので、納付を忘れないように注意しましょうね。

確定申告しないとどうなるの?

FXで出た利益を申告しないとどうなるのでしょうか。
大きな利益を上げれば、それだけ大きな額の税金を取られるので申告したくないと思う人もいるかもしれませんが、申告しないと結局は損をすることになるでしょう。
課税対象となっているのに確定申告をしなかった人には「無申告課税」というものが課せられます。
また、支払いが遅れると「延滞税」が発生します。
さらに、利益を隠したり虚偽の申告をしたりすると、罰金または懲役刑となることもあるのです。

 

わざわざ自分から税金を課せられようとするようにも見える利益の申告ですが、隠したり遅れたりすることが一番損になります。
FXをする上でどうしても必要なものなので、しっかりと制度を確認して忘れずに申告するようにしましょうね。

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