チャートの勉強をしていると、「あれ?この形、別の通貨ペアでも見たぞ?」と気付くことがあります。
これは、たまたま同じような値動きをしたのではありません。
FXには相関関係のある通貨ペアが存在しているのです。
同じような値動きになりやすい通貨ペアは、「順相関関係」と呼ばれています。
今回は、通貨の相関関係によって利益を出す手法について勉強していきましょう。
相関関係は2種類!同じ方向と逆の方向
FXで取引される通貨ペアには、2つのタイプがあります。
同じような動きをするAとBの通貨ペアがあるとすれば、両者は「順相関関係」の間柄です。
反対に、Aに対し逆の動きをするCの通貨ペアが存在している場合、両者は「逆相関関係」と呼ばれます。
BはAと同じ動きをするので、Cの通貨ペアとは「逆相関関係」になりますね。
まとめると、以下のようになります。
A←(順相関関係)→B
A←(逆相関関係)→C←(逆相関関係)→B
どうして関係しているの?世界の国々はつながっている!?
通貨ペアに相関関係があるのはどうしてでしょうか。
まず、為替レートの仕組みについておさらいしてみましょう。
為替レートとは、異なる通貨が交換される時の取引価格のことでしたよね。
例えば「1ドル=100円」の為替レートになった場合、「1ドルは100円と交換できる」という意味になります。
1つの通貨ペアを見た時、上記の場合であればドルと円を有するアメリカと日本の情勢が関係していることは誰でも理解できるでしょう。
しかし実際は、アメリカと日本に政治や経済面でかかわりのある国が他にもあります。
アメリカと日本の関係だけで「ドル/円」の為替レートが決まるのではなく、欧米諸国や中東、アジアの国々との関係も影響を及ぼしているのです。
これを逆の立場から見ると、「他の国の通貨ペアにアメリカと日本も関わっている」とも言えますよね。
ということは、同じような動きをする別の通貨ペアが存在していても不思議ではありません。
「世界はひとつ」なんて言葉もあるくらいだし、地球上の国家はFXでもつながっているんですね・・・。
通貨ペアの相関関係はFXにどんな影響があるの?手法に利用できる!
通貨ペアには相関関係があると知ったところで、「じゃあどうしろって言うのよ?」という人もいると思います。
同じような動きをすることが分かっても、「へ~不思議だね!」と思って終わりにしていたら意味がありませんよね(笑)
FXでは、通貨ペアの相関関係からより高度な手法を生み出すことが可能です。
正しく理解すれば、今までより大きな金額を稼げるようになるかも!
具体的な方法を調べる前に、まずは通貨ペアの順・逆相関関係が、取引の結果にどのような影響を及ぼすのかを理解しておきましょう。
順相関関係の場合…利益を増幅することができるかも
「ユーロ/ドル」と「ポンド/ドル」は、順相関関係にあると言われている通貨ペアです。
2つのチャートを見てみると、同じ時間帯で似たような値動きをしていることが分かります。
ユーロを発行しているEU諸国とポンドを発行しているイギリスに政治的・経済的な関係が深いため、このようなことが起こるのです。
1つの通貨ペアで取引していた人が、順相関関係にある通貨ペアでもFXを始めたらどうなるでしょうか。
2つの通貨ペアは同じ動きになりやすいため、トレードが勝てば利益は2倍です。
ただし、負ければ損失も2倍になることを忘れてはいけません。
「この通貨ペアが有利だ!」という自信がある時に、順相関関係の通貨ペアでも取引すると良いでしょう。
逆相関関係の場合・・・リスク回避になる
「ドル/円」と「ユーロ/ドル」は、逆相関関係になります。
こちらも同じ時間帯のチャートを見てみましょう。
「ドル/円」が値上がりすれば「ユーロ/ドル」は下がり、「ドル/円」が値下がりすれば「ユーロ/ドル」は上がっています。
まさに逆の動きをしていますね。
ここから何が分かるかというと、将来の値動きも反対になる可能性が高いということです。
逆相関関係の通貨ペアを利用すると、値動きの予想が外れた時のリスク回避に役立ちます。
例えば、「ドル/円」がこれから上がると予想して買ったとしましょう。
その予想が当たれば、もちろん利益になりますよね。
でも「ドル/円」だけで勝負していて、予想と全く逆の値動きになってしまったら・・・。
反対の動きをする「ユーロ/ドル」でもポジションを取っておけば、「ドル/円」の損失をカバーできるかもしれません。
FXの注文方法では「逆指値注文」というものがありますが、相関関係でもこの理論が応用できます。
もっと信頼できる手法にするには?相関関係のチェックツールがある
通貨ペアの順相関関係・逆相関関係は、実はタイミングによって変化することがあります。
今日順相関関係だったからといって、明日も同じだとは限りません。
ほとんどいつも同じ動きになるものもありますが、いつの間にか変わっている可能性もあるので気をつけましょう。
常に正しい相関関係を見るには、「相関関係チェックツール」が便利です。
FX会社でもいくつか提供されているので、調べてみてくださいね。
その判断合ってる?通貨ペアの相関関係が売買タイミングの根拠になる
様々な手法を勉強していると、「今ってもしかして買いのベストタイミングなんじゃないの!?」と思うことがあります。
でもFXには「ダマシ」もあるので、大ハズレなんてこともしばしば・・・。
チャートの形から相場変動のシグナルを見つけることは可能ですが、もっと確固たる根拠が欲しい・・・。
そんな時は、通貨ペアの相関関係を利用してみましょう。
例えば、「ユーロ/ドル」が本当にレンジブレイクしている場合、順相関関係の「ポンド/ドル」も同じ形になっている可能性が高いです。
「ポンド/ドル」でも同じようにレンジブレイクしていれば、「やっぱりそうだよね!」と安心してトレードできますね。
反対に「ポンド/ドル」ではレンジブレイクしていなかったり、逆の方向にレンジブレイクしていたら、「ユーロ/ドル」で見たレンジブレイクは「ダマシ」である可能性が高くなるでしょう。
2つの通貨ペアで同じ動きをしていれば正しい情報だという判断材料になりますし、違う動きをしていれば疑う余地がありそうだと気付けます。
エントリー・決済のタイミングを見つけたら、相関関係をチェックするクセをつけると良いでしょう。
相関関係はどうなっている?有名な通貨ペアを見てみよう
今回は相関関係にあると言われている通貨ペアもご紹介しておきましょう。
ただし、これが永久に変わらないということはありません。
先ほどお話しした相関関係チェックツールで、最新の情報を入手してくださいね。
①順相関関係の通貨ペア
・「ユーロ/ドル」と「ポンド/ドル」
・「オーストラリアドル/円」と「ニュージーランドドル/円」
・「カナダドル/円」と「オーストラリアドル/円」
・「スウェーデンクローナ/円」と「ユーロ/円」
②逆相関関係の通貨ペア
・「ドル/円」と「ユーロ/ドル」
・「ポンド/円」と「ユーロ/ポンド」
・「スイスフラン/シンガポールドル」と「ドル/円」
こうして並べてみると、「ドル」にもオーストラリアやニュージーランド、シンガポールなどのドルがあるんですね(^_^;)
そもそも通貨の名前をよく知らないという人は、ちょっと苦労しそうです。
ゆっくりで良いので、少しずつ覚えていきましょう。
通貨ペアの相関関係を知ることで、より正確な予想が立てられるようになります。
また、予想が外れた時のリスク回避にもなるので、ぜひ利用してみましょう!