FX口座には「ゼロカットシステム」という制度が導入されている場合があります。
なんとなく「ロスカット」と似たようなワードですが、どんなものか知っていますか?
私は海外FX会社のAroon Trading Companyを利用しており、口座にはゼロカットシステムが導入されています。
国内にはない制度なので、海外FX会社を選ぶメリットとしても挙げられることがあります。
国内か海外で迷っている人は、ゼロカットシステムの有無も決め手になるかもしれません。
今回は、「ゼロカットシステム」について学んでいきましょう。
ロスカットが間に合わないとどうなる?
まず「ロスカット」についておさらいしてみましょう。
「ロスカット」とは、証拠金の額が一定以下になると強制的にポジションを決済し、損失を確定させることです。
相場が急に変動すると、損切りをする間もなく大損失が発生してしまうことがあるため、ロスカットは危険回避策として導入されています。
ところが、一瞬のうちに資金が減り、証拠金維持率を大きく下回れば、ロスカットすら間に合わないこともあるでしょう。
資金が底をつくだけで終わればまだ良い方で、それ以上に損失が出てしまうことも。
そこでFXをやめる選択をしたとしても、証拠金を超えた分の損失は一旦FX業者が肩代わりするような形になっています。
口座の残高がマイナスになった場合、追加で証拠金を入金する「追証」をする必要があります。
国内FX会社を利用する人は法律で追証が義務付けられているため、結果的に借金するしかなくなることもあるでしょう。
「ゼロカットシステム」とは?追証する必要がない!?
国内FX会社のロスカットと追証の仕組みに対し、海外FX会社では「ゼロカットシステム」という制度が導入されています。
これはロスカットが間に合わずに証拠金を超えて損失が発生した場合、口座残高のマイナス部分のみをFX会社が負担してくれるものです。
つまりどれだけ損失が発生しても、口座残高は0となります。
追証の必要もないので、借金を負うこともないでしょう。
具体例を見てみよう!国内と海外でどう違う?
それでは具体的に、ゼロカットシステムがあるとないとでは、損失額がどのくらい違うか見てみましょう。
例えば口座に100万円の証拠金が入っていたとします。
FXの運用中、予期せぬ相場の大暴落が起こりました。
ロスカットも間に合わず、150万円の損失が発生してしました。
国内FX会社の場合
失った証拠金の額は100万円、さらにFX会社に対する借金は50万円です。
50万円はFX会社に返す=追証する必要があります。
つまり今回の損失額は合計で150万円です。
海外FX会社の場合
失った証拠金の額は100万円です。
ただしそれを超えたマイナス50万円はFX会社の負担となります。
つまり今回の損失額は証拠金として入金していた100万円のみです。
ゼロカットシステムを利用するには?海外FX会社にしかないシステム
ゼロカットシステムは国内で禁止されており、海外FX会社でのみ導入されています。
ただし、ゼロカットシステムを利用したい場合は、その海外FX会社に導入されているか調べる必要があります。
例えば、Aroon Trading Companyでは「ゼロカットシステムにより追証の必要はなし」と明記されていました。
また、海外FX会社の特徴として、100倍以上の高いレバレッジが掛けられるというものがあります。
国内では25倍までしか掛けられないので、あらかじめ多くの証拠金が必要です。
海外FX会社を使えば、高いレバレッジを利用しながらゼロカットシステムによりリスク回避もできますよ。
口座を複数持っている場合はどうなる?
ゼロカットシステムは、具体的に言えば口座残高を0にするものです。
例えば口座残高がマイナス3万円になっても、マイナス100万円になっても、ゼロカットシステムが発動すると口座残高は0になります。
それでは口座が複数ある場合はどうなるのでしょうか。
ゼロカットシステムは、複数の口座であっても適用されます。
全ての口座に対してシステムが発動するため、「この口座はダメ、この口座はOK」ということもありません。
Aroon Trading Companyのゼロカットシステム
私が使っているAroon Trading Companyもゼロカットシステムが導入されている海外FX口座です。
具体的にゼロカットシステム後の流れはどうなるか、Aroon Trading Companyの場合を見てみましょう。
Aroon Trading Companyの説明では、証拠金がマイナスになっても追証の必要はないと書かれていました。
ただしゼロカットシステム発動後もFXを続ける場合は、新たに証拠金を入金する必要があります。
これは追証とは違い、FX会社に対する返済ではありません。
初めにFX口座に入金した時と同じように、トレードのための資金として入金するお金です。
Aroon Trading Companyでは、新たに証拠金を入金したタイミングで口座残高が0となり、その後入金した金額が反映される仕組みとなっています。
自動売買ではどうなる?ゼロカットシステムは適用されるの?
ゼロカットシステムは、自動売買での運用でも発動します。
Aroon Prime Traderのように、ゼロカットシステムを導入している会社の自動売買であれば制度の利用は可能です。
優秀なプロトレーダーのロジックが使える自動売買でもゼロカットシステムが適用されれば、より安心ですね。
ちなみに、自動売買システムの「Aroon Prime Trader」を利用する場合は専用のアカウントに入金する必要があります。
自動売買でゼロカットシステムが発動し、新たに証拠金を入金して自動売買を再開させたい場合は、Aroon Prime Traderへ入金しましょう。
Aroon Prime Traderの自動売買には推奨される証拠金の金額があります。
例えば、戦略プロバイダーを1つ選択する場合は3,000ドル以上、2つの場合は10,000ドル以上の証拠金が必要だとされています。
また、入金はビットコインで行われるため、仮想通貨取引所のウォレット残高もチェックしておきましょう。
「すぐにトレードを再開したい!」と思っても、すぐにはできないかもしれませんね。
資金を用意したり、仮想通貨取引所からAroon Prime Traderの口座、自動売買Prime Traderアカウントへの入金をしたりと、多くの手順が必要です。
緊急対策だと理解しよう!安全対策と慎重なトレードが大切
ゼロカットシステムは、トレーダーにとって便利で安心な制度です。
だから無謀なトレードをしても良い・・・と思ったら大間違い!
ゼロカットシステムでは、口座のマイナス部分をなかったことにしてくれますが、損失全てを補填してくれるわけではありません。
借金せずに済んだとしても、失った証拠金の額は必ずあなたを苦しめるでしょう。
「ゼロカットシステムがあるから大丈夫」と考えるよりも、そうなる前に対策を講じておく方が良いと思います。
また、ゼロカットシステムの前に「ロスカット」というリスク回避策もありますが、そもそも証拠金維持率に近づいてしまうようなトレードは避けるべきです。
相場がひっくり返るような大暴落については予測できないかもしれません。
しかし、チャートの読み方や相場の予想に関連する知識を身に付けておけば、防げる損失もあるでしょう。
ゼロカットシステムが発動する前に、ロスカットの可能性に気が付く、ロスカットにならないように損切りする、損切りのタイミングを見逃さないように含み損を把握しておくなどの行動が身を守ります。
FXの上級者であっても急な暴落には対処できないこともあるので、ロスカットやゼロカットシステムで安全策を講じておく必要があります。
でもその前に、まずは安全なトレードとは何か、損失が大きくならないためにはどうしたら良いのかから勉強していきましょう。