FXのトレード方法はたくさんありますが、ポジションを保有している期間で見ると「短期トレード」と「長期トレード」に分けることができます。
どちらを選ぶべきかはその人によって異なるので、短期トレードと長期トレードのそれぞれの特性を理解した上で、自分の性格やFXのために使える時間と照らし合わせて決めましょう。
今回は長期トレードの1つ、「ポジショントレード」について解説していきます。
ポジショントレードとは?
一度売り・買い注文を出してから、数週間から数年間の長い間決済せず保有し続ける取引をポジショントレードといいます。
長期間の値動きから利益を出すには、相場の大きな流れを掴むことが必要となります。
数時間や数日間の短い時間枠ではなく、1年を通した世界情勢、経済状況の大きな変革も予想しなくてはいけないので、短期トレードをする時よりも広く深い知識が必要となるでしょう。
ポジショントレードのメリットは?
長期的なトレードにはどのような利点があるのでしょうか。
ポジショントレードの特徴とともに見てみましょう。
スワップポイントが受け取れる!
ポジションをその日のうちに決済せず、翌日以降に持ち越すと「スワップポイント」を受け取れる場合があります。
これは異なる通貨の金利差から生まれる利益で、値幅から得られる利益とは別に、ポジションを保有している間ずっと受け取れます。
1日のスワップポイントが微々たるものであっても、長期トレードで積み上げれば大きな額になることもあり、ポジショントレードをする人の狙いでもあります。
ゆっくりFXができる!勉強しながらでもOK
短期トレードの場合は1日に何度も取引しなければならないので、チャートを見張ったり、一瞬の判断に集中する必要があります。
短い時間であっても精神的に疲れてしまうことが重いストレスとなる人もいて、それが原因でFXを辞めたという話もよく聞きます。
ポジショントレードのような長期トレードなら、流れに乗った後はゆったりと構えてFXトレードをすることができるのです。
決済するまでの期間にFXについて勉強することもでき、他に仕事をしている人でも安心して挑戦できるでしょう。
ポジショントレードのデメリットは?
ポジショントレードなどの長期トレードには、良いところだけでなく注意しなければならないこともあります。
大損失のリスクも!相場を読むのは難しい
ポジショントレードは相場に乗ってしまえば、決済まで安心して過ごすことができます。
しかしこれは、数週間・数ヶ月・数年間のずっと先を見越すことができる目を持っているということが条件です。
初心者が数年先の相場を予想できるほど、この世界の経済は単純ではなく、今流行っているものが半年後には話題に上らなくなることもあるように、FXの相場も急に変わることがあります。
自分が予想していた相場の流れと全く反対のトレンドが発生した場合、注文の時に懸けたお金がほぼ0になって返ってくるかもしれません。
大きな利益が得られる可能性のある長期トレードは、同時に大きな損失を生むリスクもあるということをしっかりと理解しましょう。
資金が増えにくい…余裕のある資金が必要
短期トレードでは小さな値動きからトレードするので、少額ずつでもコツコツ利益を積み上げることができます。
タイミングによってはグッと資金の額が増えることもあり、達成感を掴みやすいでしょう。
しかし、長期トレードは決済するまではポジションを保有している間のスワップポイントくらいしか得られるものはなく、大きく稼げるのは数か月後、数年後となります。
長い目で見れれば良いのですが、「早くお金が欲しい」という人にとっては待ち遠しく、物足りないトレードかもしれません。
また、長い期間をかけてトレードした結果が悪ければ、資金がロスカットされてしまう可能性もあります。
資金に余裕がある人でなければ、FXを続けることすらできなくなる危険性もあるのです。
スワップポイントが損になる!?
ポジショントレードのメリットで、「スワップポイントはポジションを保有している間、利益として受け取れる」と説明しましたよね。
実は、これは全てのポジションに当てはまるものではなく、通貨ペアや売り・買いどちらを選んだかによって「スワップポイントが損失となる」こともあります。
「マイナススワップ」になる取引では、ポジションを持ち続けている間、手数料としてスワップポイントを反対に支払わなくてはいけないので、損失が積み上がっていくという仕組みです。
どの通貨ペアが売り・買いの時にマイナススワップとなるか、FX会社のサイトやアプリで事前に確認しておき、もしどうしてもマイナススワップになるものを選択しなければならないという時は、長期保有を避けるかある程度の損失を覚悟したトレードが必要となりますね。
ポジショントレーダーに必要なこととは
ポジショントレードなどの長期トレードは得られる利益が大きい分、損失も大きくなる可能性があります。
相場の大きな流れを把握することは初心者には難しく、FXの勉強をしながらトレードに挑戦するという人が初めから大きな額を賭けてしまうと大変なことになるでしょう。
ファンダメンタルズ分析が必要不可欠
長期トレードではファンダメンタルズ分析をできることが求められます。
金融政策や経済指標を材料に相場の流れを判断するのですが、これに加えて米国や中国の政府トップの発言も、長期の相場の流れを予想する上で大きな要素になります。
これらの発表があるタイミングはある程度決まっているので、政治や経済についてのニュースを即座に入手できるように準備をしておきましょう。
短期チャートも一緒に確認!
時間というのは途切れることなく続いていくもので、どんなに小さな流れも、大きな時間軸の一部になります。
長期トレードだからといって、長い期間の相場の流れだけに注目するのではなく、日足や週足、月足といった短い期間の相場もチェックが必要です。
「マルチタイムフレーム」というチャートは、日足・週足・月足の時間枠を分析するのに役立つので、長期トレードをする際にも活用しましょう。
ポジショントレードに合う通貨ペアはこちら!
ポジショントレードにおすすめの通貨ペアをご紹介しましょう。
長期保有では、取引量が多くてスプレッドが小さい通貨ペアを選ぶと良いですよ。
例えば、「米ドル/円」や「ユーロ/米ドル」は長期トレーダーに選ばれることも多くて狙い目です。
スプレッドはFX会社によって違うので、取引口座を決める際の条件にしても良いでしょう。
ただし、スプレッドがあまりに安かったり無料だったりするFX会社は、他のところで経費が発生する可能性もあります。
スプレッドは標準的ですが、後付けで経費が発生することがないAroonのようなFX会社の方が安心かもしれませんね。
ポジショントレードは長期にわたって相場の流れを把握する必要があります。
トレードの回数も短期トレードより少ないので、初心者が取引の練習をするには物足りないかもしれません。
必要な知識も高度になるので、短期トレードで経験を積んでから挑戦するのが良いでしょう。